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コラム一覧

久留米絣4・池田絣工房

*本日(10/8)「久留米絣4」を公開後、以前公開しました絣の写真を確認したところ、「久留米絣1」と「久留米絣2」の写真が全て消えていましたので、びっくり仰天、大ショックです。(「久留米絣3・藍華田中絣工房」の画像の一部も消えていました。)サーバーを調べたところサーバーは無事で、ファイルは全て揃っています。パソコンに保存しているファイルも全て揃っています。

ということは、外部から誰かが侵入して荒らしたのではなく、使っているソフトに原因があるのかもしれません。ちょっと心当たりもありましたので、消えた写真を再度アップするか、もっと使いやすいサイトに変えるか、再検討する必要があるかもしれません。とりあえず、「久留米絣1」と「久留米絣2」の写真が消えていることをお知らせいたします。(10/8)

久留米絣1」は復活しました。(10/11) 「久留米絣2-着物・洋服」「久留米絣3・藍華田中絣工房」も全て復活しました。(2019/10/12)

 

今年の6月に開催された「絣の里めぐり in 筑後」でお訪ねした、池田絣工房さんの機織りの写真をご紹介します。店舗では着物や洋服、小物類など様々な縫製品が展示販売されていますが、店舗の奥に併設されている手織り工房も見学自由、写真撮影も自由。オールフリーでしたので、機織り中の絣の写真をたくさん撮らせていただきました。(*上記リンク先の池田絣工房さんの写真は古いのでは?あるいはご自宅なのかも?見学したのは、新築された店舗・工房でした。)

織り上がった絣も何点かご紹介しておりますが、最後の1点、飛翔する鶴を配した古典柄は池田絣工房さん作ではなく、お名前を記録するのを忘れたのですが、「絣の里めぐり」で最後にお訪ねした絣工房さんの絣です。

なお、写真展示をフォトモーション(動くギャラリー)に変えました。機織り画像11点、絣生地画像5点を展示しております。

 

2019年10月08日

久留米絣3・藍華 田中絣工房

藍華 田中絣工房  

今年の4月にアクロス福岡で、手染め、手織りの久留米本絣工房の「藍華 田中絣工房」の個展が開催されましたので、伺いました。その際、撮らせていただいた写真を、<1着物 2洋服 3小物 4反物>と分けて、いくつかご紹介します。

「4反物」の画像が、なぜか、途中から別の画像に変わっておりましたが、本日、フォトモーション(動くギャラリー)を使って復活させました。(10/12)

 
1 着物

 

 

 



 



2 洋服

ネックレスも絣

 

上から2番目の着物と同じ絣で作ったワンピース

 


 


 

 


 
3 小物



4 反物
なぜか、途中から別の画像に変わっておりましたが、本日、フォトモーション(動くギャラリー)を使って復活させました。(10/12)
2019年09月15日

久々の再開です。

前回、5月22日の更新以来、長らく休眠状態が続いておりました。実はこの間、様々な迷いがあり、更新が途絶えておりました。その迷いとは、一つには、これまで使っていたサイト作成ツールが少し使いにくく、サイトのリニューアルないしは変更を考えておりまして、更新を停止しておりました。もう一つは、内容的な迷いです。

サイトに関しましては、結局は元のサイトで続行することにしましたが、長い長い試行錯誤の末の結論でした。当サイトはJustSystemのホームページルダーを作って作成しておりましたが、かなり大幅にカスタマイズしております。別のサイトで使っている機能が充実しているWordPressに比べると、少し使いにくさを感じておりましたが、使い慣れたWordPressを使わずに、あえてホームページビルダーを使ったのは、WordPressでは、見た目の印象がやや単調な感じになりがちですので、あれこれ試した結果、ホームページビルダーのこのテンプレートをカスタマイズして使うことにしました。

しかし更新が重なるにつけ、やはりWordPressにすべきだったかも、との迷いが出てきました。そこでWordPressへの変更に向けてあれこれ試行錯誤を試みましたが、他では余り見かけない、このサイトのデザインを捨て去る決心もできませんでした。WordPressでこのデザインないしは類似のデザインを再現することは、その構造的な特性から、素人のわたしにはもとより、プロにも不可能だろうと思われます。

ホームページビルダーでもWord Pressサイトを作ることはできますが、カスタマイズしすぎたせいなのか、Word Press内では、ホームページビルダー単独で使う場合とページの構成や機能が異なってしまい、両者合体はうまくいきませんでした。

苦肉の策として、このサイト分は別のURLで残し、WordPressの新サイトにリンクを貼るという方法も考えましたが、それでは、このサイトは単なる過去の遺物になってします。文字と写真で画面が一杯になってしまうスマホが主流になっている現在、サイトのデザインにこだわることはほとんど無意味で愚かだとも思われますが、スマホにもかすかながら反映されるデザインの美しさや個性の違いに、ついついこだわってしまい、無駄な時間を費やしてしまいました。

素人ながらおこがましいと思いながらも、悪戦苦闘の一端を披露させていただきましたが、やはりこのサイトを残すことにいたしました。そこでホームページビルダーのマニュアルを丹念に読み返しところ、使い方を十分に理解していないことも分かり、以前よりはスムーズに更新ができそうです。

さてもう一つの理由ですが、絣の美、絣の価値基準をどこに置くかという、本サイトにとってはより本質的な問題をめぐる迷いによるものです。

当初、絣ラボにも書いておりますように、簡素でありながら多種多様な図柄を生み出す、絣のもつ不思議な美しさをご紹介したいとの、非常に単純な動機から始めましたので、手染め・手織りの本絣も化学染料を使用した絣や機械織りの絣も同列にご紹介しておりました。絣の愛好家を増やすためには、本絣のみという限定をはずした方がいいのではないかとも考えていました。

しかし手染め・手織りのみで織られた絣の展示会や、工房などを実際にお尋ねしてその仕事の大変さや質的な違いを実感してみると、両者を同列に扱うことにためらいを覚えせざるをえなくなってきました。となると、すでにご紹介済みの久留米絣1久留米絣2の掲載写真も、両者を区別してご紹介しなければなりません。それどころか、ヘッダー画像として使用している多数の写真の選択も変えざるをえません。

ご紹介済みの写真の大半は、久留米絣協同組合主催の絣フェア開催会場で許可を得て撮したものですので、本絣にせよ機械織りにせよ、久留米絣と認定されたものばかりだとは思いますが、今から両者を区別してご紹介し直すというのは、正直なところ、なかなか大変だとの思いもありました。だからといって、本絣生産者のお立場を考えると、両者混在のままでいいとはなりません。両者混在で同列に扱われることには、本絣生産者のお怒りを買うかもしれません。

しかし、わたしが当サイトを始めた唯一最大の動機、簡素でいながら多種多様な図柄を織り出す、絣のもつ不思議な美しさを国内外で広く共有したいという目的は、本絣はもとより、機械織り絣も十分にその役目を果たしてくれています。

ただ、絣にかぎらず、染織品という実用の用のために作られた製品を、あたかも美術品のように眺めることには批判もあります。民芸運動を創始し、民芸の美の発見者であった柳宗悦も、こと染織品に関しては、実用の用から離れてその美を鑑賞する傾向があったとのことで、民芸の本道からはずれているとの批判を読んだことがあります。そういうお立場からすると、全く無名で目に触れる機会はないであろうとは思うものの、本サイトはけしからんということになるかもしれません。

しかし、単純素朴に美しいものを美しいと感じる心を、様々な定義やルールなどをかぶせて否定することが、われわれの暮らしや社会を豊かにすることになるのかといえば、否といわざるをえないはずです。また、美へのアプローチは、多種多様であるのが望ましいのも確かだと思います。

確かに絣は、生産者の生活を支える生業でもありますが、生み出された絣の数々は、鑑賞を目的に創作される美術作品に負けず劣らぬ美的魅力に満ちています。その美に焦点を当てることは、絣産業の活性化にも大いに貢献できるものと信じています。

ということで、基本的には従来通りの路線で本サイトを運営することにいたしました。今後ともご愛読いただきますよう、念じております。

9月には当サイトを再開したいと思っておりましたが、1日の再開に間に合いました。次回は、新しい絣のご紹介をさせていただきます。よろしくお願いいたします。

なお、サイトは基本、以前と同じですが、目次やナビなど多少見やすくしております。古いキャッシュが残っている場合は以前のまま表示されますので、クリアして最新のデータを開いてください。お願いいたします。

また、今回初めて「はてなブックマーク」と「feedly」というRSSアプリを設置しました。すでにご存じの方も多いかと思いますが、「はてなブックマーク」は各ブラウザにあるブックマークよりも多機能なアプリですし、「feedly」は、Google提供のRSSのサポート終了を受けて急速に普及しているとのことで、設置してみました。それぞれ、皆様におかれましても登録する必要はありますが、ご利用いただければと思います。

絣ラボ 久本福子

2019年09月01日

久留米絣2-着物・洋服

画像が全て消えておりましたが、本日、フォトモーション(動くギャラリー)を使って復活させました。復活版では、絣の柄もよく分かるように作品の1点、1点を独立させております。着物は拡大して6点、洋服は4組の部分拡大を含めて17点、小物は2点、反物は5点展示しております。元のブログ文は、ギャラリーの後に残しております。(10/12)

 

 

 

5月15日に、久留米絣の洋服をご紹介しましたが、なぜ着物を紹介しないのかと不審に思われたかもしれません。後でまとめて着物をご紹介する予定にしておりましたが、洋服と同じページに着物もご紹介することにしました。

絣に限らず、日本の織物は着物を織るために始まっており、現在も着尺として織られていますので、日本における絣や染織のルーツを考えるならば、今ではほとんど着物は着られなくなったとはいえ、まずは着物からご紹介すべきでした。

今回ご紹介します着物は、3月16日と17日、久留米で開催された「第32回久留米かすり 藍・愛・で逢い フェスティバル」品評会で様々な賞を受賞された作品ばかりです。バッグや帽子などの小物も最後(洋服の後)にご紹介しています。(2019/5/22)

 

久留米絣の洋服をご紹介します。「第32回久留米かすり 藍・愛・で逢い フェスティバル」会場に展示されていた、久留米絣の洋装最新ファッションです。ファッションショーも開かれたのですが、わたしは時間的に間に合わず、残念ながら見ることはできませんでした。

今回ご紹介しますのは、マネキンさんたちのファッションショーです。細かい絣模様までは見えない物もありますが、絣は洋装にも全く違和感はありませんね。しかも男性用もOK!(2019/5/15)

2019年05月15日

絣とikat

絣とikatについては、トップページの「絣ラボ」にて概略ご説明しておりますが、やや説明不足かと思われる部分もありますので、あらためて説明を付け加えることにいたします。

まず「ikat」の語源についてです。当サイトでは、マレー語源と解説しておりますが、インドネシア語源やインド語源との説明もありますので、戸惑っておられる方もいらっしゃるかもしれません。長文になるのを避けて参考文献を省略しましたが、染織研究家小笠原小枝氏のご著書(「日本の美・絣」「日本の絣・展」カタログ)を参照させていただきました。

他の絣研究家のご著書もいくつか拝見しましたが、語源の由来とその命名者(スイス、バーゼル博物館館長であった故Dr.ビューラ)のお名前まで記しての詳しい「ikat」語源解説は、小笠原氏のご著書以外では目にしておりませんので、小笠原氏のお説を紹介させていただきました。「絣ラボ」は専門的な絣研究サイトではございませんので、詳細まではご紹介しておりませんでしたが、参照させていただいた上に、その優れたお仕事に敬意を表する意味でも、小笠原氏のお名前はご紹介すべきでした。

またマレー語は、マレーシア、シンガポール、インドネシアで使われている言語だとのこと。インドネシア語はマレー語に由来しており、両者はよく似ているとのことですので、インドネシア語源としても間違いではないとは思いますが、インドネシア語の由来からしますと、マレー語語源説になるはずですね。

インドでは非常に多くの言語が使われているようですが、代表はヒンディー語。ヒンディー語とマレー語は似ているのかどうかは、わたしには分かりませんが、世界の絣を探訪している絣の専門家のお一人は、インドとインドネシアはともに絣をikaと表記すると書かれています。おそらくインドでは、ikatが世界共通語になってからの使用ではないかと思われますが、ikatの語源については、小笠原氏説をご紹介させていただきます。

また、絣そのものの起源についても複数説があります。小笠原氏もこの点については複数説を紹介されており、確定的な判断は示されていません。他の専門家もほぼ同様に複数説を紹介されていますが、複数説をご紹介すると長文になりますので、インドで世界最古の絣関連の遺跡が発見されたことや、インドでは、そして後には日本でも広く普及していた経緯絣が、インドネシアでは特定の一地域でしか織られていないということから、わたしの素人判断でインド起源としてまとめました。

しかし専門家のほとんどが、絣の起源についてはインドかインドネシアかを明確には特定していない中で、素人がインド起源であるかのような、断定的な書き方をしたのは軽率だったと反省しています。

専門的な研究サイトではないとはいえ、絣専門のサイトである以上、絣をめぐる基本的な認識については、ある程度の正確さは備えておくべきだったと思います。この反省の流れの中で直面しているのが、当サイトでご紹介する絣の基準についてです。

絣も近代化以降は機械化が進み、昔ながらの手作り品は価格競争に負け、市場から駆逐されるという憂き目に遭ってきました。伝統工芸品の伝承を推進する国の支援もありますが、十分なものではありません。基本は絣製造業者や個々の作家の努力にかかっているわけですが、自力での事業継続のためには、機械化の導入もやむなしという判断に至る場合も当然出てきます。ただその機械化の導入にも様々な段階があり、全面機械化や海外委託生産のみならず、ごく一部を機械化して手作り感を残しながら事業の継続を図るという、複雑な選択もあるわけです。

絣といえば、これまでは、伝統的なオール手作りによる絣生産がテーマになってきたように思います。全行程を手作りされた絣は、その風合いも含めて確かに非常に美しい。しかし、オール手作りの絣だけが真性の絣だとみなして、それ以外の絣は非真性、つまりは偽物だとみなして無視することが、絣にとっては喜ばしいことなのかどうかという迷いが生じます。少なくともわたしは、この迷いの渦中にああります。

しかしその一方で、非常な重労働である糸染めも含めて、オール手作りで絣を作っておられる事業者や作家の方々にとっては、機械も手作りも同列だとされたのでは、とうてい納得はできないはずです。当然です。そして従来の絣に関する書物のほとんども、手作り絣に焦点を当てています。

絣の伝統技は、こうした手作り絣の事業者や作家の方々によって伝承されてきましたので、その事業の継続を支援するためにも、手作り絣に焦点を当てるのは当然すぎるほどに当然です。しかし絣の間口を広げることも、絣や伝統的な染織に対する、人々の関心を高めるきっかけになるのではないかとも思われます。

近代化の果てに、人工物が氾濫するに至った現在、人々は逆に天然自然のものを求め始めています。環境破壊が進む中、環境保護のためもあるとはいえ、こうした動きは、生物である人間の感性が求める不可避の欲求ではないかとも思われます。

絣の行く末も、同様の視点に立って眺めてみてはどうかとも思っています。

2019/05/08 絣ラボ 久本福子

2019年05月08日
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